『善き人のためのソナタ』(2006)

この映画は2007年12月5日にWOWOWで放送された時に初めて見た。その時に録画していて、2021年9月25日に2回目を見た。正確には2007年に2回見たと思う。

原題は “Das Leben der Anderen” 英語でのタイトルは”The Lives of Others”。直訳すると「他人の生活」となる。邦題の方がいいのとちゃいますか。

この作品は自国ドイツの映画賞のみならず多くの賞を受賞しています。なかでも米国アカデミー賞の外国語映画賞を受賞したことで話題性がぐっと高まったのではないかと思います。

2006年度の第79回アカデミー賞は2007年2月25日、コダック・シアターでエレン・デジェレス(Ellen DeGeners)司会で行われました。この年の外国語映画賞ノミネート作品は、スサンネ・ビア監督『アフター・ウェディング』(デンマーク)、ラシッド・ブシャール監督『デイズ・オブ・グローリー』(アルジェリア)、ギレルモ・デル・トロ監督『パンズ・ラビリンス』(メキシコ)、ディーパ・ミータ『ウォーター』(カナダ)と『善き人のためのソナタ』でした。最有力候補と目されていたのは『パンズ・ラビリンス』でした。

この年の外国語映画賞は50回になることを記念し、ノミネート発表前に渡辺謙とカトリーヌ・ドヌーヴによって過去の受賞作の名場面をエンニオ・モリコーネの音楽に合わせてジュゼッペ・トルナトーレが見事に編集したショートフィルムが流されました。会場は感動に包まれました。

続いてケイト・ブランシェットとクライブ・オーウェンがプレゼンテーターとして登場し、有力候補の『パンズ・ラビリンス』を抑えて『善き人のためのソナタ』が受賞します。
監督のフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク(Florian Henckel von Donnersmarck)が壇上に駆け上がり「トルナトーレに泣かされたと思ったら受賞でさらに涙が」と話しました。
「スタッフキャストにも感謝」という言葉に合わせてカメラが客席を写すと、した。
黒縁の眼鏡にスキンヘッドのガリガリの男がそのフレーム内にいた。
その男が主演の男優だと知ったのは、受賞後まもなく彼が癌で死んだニュースからだった。

その主演男優の名前はウルリッヒ・ミューエ(Ulrich Mühe)2007年7月22日死去。54歳だった。

今回は、作品そのものではなく、アカデミー賞受賞に関する記事でした。後日、作品そのものについての記事を書きます。