『夢売るふたり』(2012)

昨日、WOWOWで小山薫堂と安西水丸のふたりが紹介する「W座からの招待状」というコーナーで上映(放映)された作品です。

話題の女流監督西川美和の作品をはじめてみました。

放送後小山薫堂と安西水丸が感想を言うのですが、小山薫堂が「とてもいい映画だと思うんだけど、あまり受賞されていないのが残念」みたいな発言をしていて安西水丸もなんとなく同意していました。

ぼくもとてもいい映画だなと思いました。

ところが、上掲の予告編を見ると、あららららと。

ほとんどこの予告編で済みそうな内容に思えてしまったからです。

もちろんこれは本編を見たから言えることだと思うし、一番肝心だと思われる箇所には触れていませんが、でもほとんど語られているなあと。

と思うと、ちょっとどうしたものかなというところではあります。

さて、幸い今回は録画してまだ消していないので、どうしてももう一度見て確認しなければなかない重要なシーンがあります。

ここに触れてもネタバレにはならないと思うので書いてしまいますが、主演の松たか子と阿部サダヲが実は本当の夫婦ではなかったのではないかという疑惑のシーンです。

ぼくの勘違いかもしれませんが、むしろこの勘違いのまま見た方がこの映画にぐっと深みが出てくるなと感じました。

この作品、もっと喜劇にすれば作品性が高まったんじゃないかなと思いました。

やや喜劇よりのつくりですが、ベースはリアリズムとして撮られているためにちょっと笑えないシーンに引いてしまいます。

強く感じたのは、ふたりが結婚詐欺で得たお金を家で計算しているかなにかのシーンで、テレビで両親が二人がかりで我が子を虐待死させるニュースの画面に向かって、「夫婦2人で気づかないままこんなことしてたらあかん」みたいな台詞を言う吐く場面があります。

こういうシーンで爆笑させるようなコードで作られていれば、みんなゲラゲラ笑いながら、ふと我に返らせるとより深いものになったような気がしてしまいました。

「ゆれる」は録り置きしておいたのでまた近日中に見たいと思います。

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