2013年に見た映画ベスト10

去年見た映画をリストアップしてみると129本ありました。記録しわすれた映画もあるので130本以上は見てるはずです。
そのなかからアカデミー賞みたいによかった映画を10本までしぼり、さらにベストワンを選んでみました。

候補の10作品は次の通り。鑑賞日順のリストです。タイトルの後の「*」印は劇場鑑賞で、無印はWOWOWあるいはNHK-BSで見たものです。

・『ドラゴン・タトゥーの女』*
・『宇宙人ポール』
・『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』*
・『ブエノスアイレス恋愛事情』
・『人生はビギナーズ』
・『華麗なるギャッツビー』*
・『007 スカイフォール』*
・『桐島、部活やめるってよ』
・『パシフィック・リム』*
・『クロニクル』*
・『素晴らしき哉、人生!』

あれれ、11選になってますね。でも言い訳として古典的名作『素晴らしき哉、人生!』を去年始めてみたからリストに入ってます。
おそらくこの『素晴らしき哉、人生!』が圧倒的1位になっちゃいますが、今年に入れるなとも言われそうで、それ以外の10作品からたったひとつの作品を選ぶことにします。

と、その前に、ノミネート作品についての簡単な感想を。

『ドラゴン・タトゥーの女』* 
これよりもスウェーデン版『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』の方が好きな人が多いと思います。ぼくもスウェーデン版の方が好きです。が、それを差し引いてもこちらのデイヴィッド・フィンチャー版も傑作と言わざる得ません。スウェーデン版に比べて写真や押し花の額の扱いが弱いのは弱点ですが、映画そのもののクオリティの高さ映像の美しさは相当のものだと思います。

『宇宙人ポール』
コメディSF映画の表現形式ですが、いやだからこそここまで表現できた作品です。原題は単に “Paul”。これをキリスト教的に読むとパウロです。いろんな映画のパロディやギャグ満載で、キリスト教福音派への批判もしっかりやってくれてます。
宇宙人もののSFでは『第9地区』にならぶ近年の大傑作です。

『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』*
前田吟みたいな顔したアン・リー監督が正真正銘の大天才であることを見せつけられた作品。
上映当時、感想の多くが画像の美しさや表面的な物語にあれこれいう内容でしたが、もっともっと奥の深いものなのです。重箱4段重ねのお弁当みたいに食べ終わったと思ってもその下があります。そこに気づくとそれを撮り切った監督と作品に対して高い評価をつけるしかありません。

『ブエノスアイレス恋愛事情』
アルゼンチン映画を初めて見ましたが、ここまで洗練されている作品とは正直驚きました。
建築に携わる自分から見ると建築愛に満ちあふれた作品という見方もできます。こんな名作が日本未公開とはどういうことやねん。

『人生はビギナーズ』
メラニー・ロランにハズレなし。調べてみるとメラニー・ロラン出演映画で来日していない作品もあるようなので、全作品とは言い切れませんが、日本で公開された彼女の出演作品はすべてハイレベルな作品です。
シナリオが素晴らしく、ベストワンとして最初に頭に浮かんだ作品がこれです。
深い悲しみがなければ人生は豊かにならない。

『華麗なるギャッツビー』*
絢爛豪華ということばを表現する映画でこれ以上の作品があれば教えてください。
バズ・ラーマン監督の前作『ムーラン・ルージュ』を遥かに凌ぐ豪華な映像の連続です。バズ・ラーマンのもうひとつ素晴らしいところは音楽の使い方です。『ムーラン・ルージュ』と同じく当時の音楽をそのまま流すのではなく今日的文脈に合わせた選曲は見事です。同じ手法で映画をつくろうとしているソフィア・コッポラとの才能の差は明らかです。

『007 スカイフォール』*
意外と評判の悪い感想を多く見た007最新作ですが、近年では最も映画的に優れていると思っています。
特に過去の007シリーズへのオマージュだったり、小道具(映画でいうところの小道具で007アイテムという意味だけではありません)のこだわりなどはさすがといえます。主演の3人の関係がとてもよく描かれています。

『桐島、部活やめるってよ』
この映画は映像美がどうとかいう類いのものではないと思いますが、どこからどうみても素晴らしい映画です。これについて語り出すと本編を超える長さになりそうです。日本映画でもついにここまでの作品を作れるようになったんだと思います。
それに比べて山崎貴監督はなんなんだ! これくらいで日本人なら泣くやろうと言う中途半端な演出しやがって。特撮だけやっとけい!

『パシフィック・リム』*
マジンガーZに熱中した世代には涙なくしては見られない。久しぶりにアドレナリン出まくります。吹替版がオススメです。
タイトルを直訳すると「太平洋枠」です。ん? TPPのことかと聞こえますがその通りですね。TPPをわかりやすく映画にしてみました。てちょっと違うかな。
音楽が超アゲアゲです。http://youtu.be/tMTr2rbqSBM

『クロニクル』*
この作品の原作は大友克洋です、と言ってもいいです。
この映画が非常に今日的なのは、恐らく劇場で見るよりもノートパソコンのネット配信で見た方がいいと思われるところです。YouTubeで見た方がよりリアルに感じられると思います。

『素晴らしき哉、人生!』
『三十四丁目の奇跡』と同じくアメリカ人が最も見ているクリスマス映画2本のうちの1本。
誠に恥ずかしながら、この歳ではじめてみました。「感動の名作」なんて程度の表現では失礼な作品。

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と、このなかから1作だけ選びます。
ひとつに選ぶのはとてもむつかしいところですが、『ブエノスアイレス恋愛事情』をベストワンにしたいと思います。

『人生はビギナーズ』となかり悩みましたが、アルゼンチン映画にします。

先述の通り日本劇場未公開だった本作品ですが、ありがたいことに、関西では今月いっぱいで閉館する梅田ガーデンシネマで2月8日から閉館日の2月28日まで上映してくれます。
すばらしい。何回見に行こうかな。

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