『ハドソン川の奇跡』(2016)

原題 “Sully” とはトム・ハンクス演じる主人公チェスリー・サレンバーガーの愛称です。
監督はクリント・イーストウッド。彼が監督することになった理由は超低予算で撮るにはイーストウッドでなければできなかったとなにかで読んだか聞いたかしたと思います。サントラのピアノの音は監督自ら弾いたものです。

アカデミー賞作品賞候補にもなったヒット作ですし、アメリカ人なら誰でも、アメリカ人でなくても世界中の人たちがその顛末を含めて知られている事件を元にした題材なので、いわゆるネタバレというのはない内容です。

ここでは映画評というよりは、ドキュメンタリーと見た場合の感想を書いてみます。

人の命を救っても、その選択が他のどの行為よりも正しかったのかを問い、もしも間違っていれば制裁を加えられるという国。
裁く側は、例えば今回の映画でいうならパイロットや航空工学の専門家ではなく、ただのコメンテーターのような輩である。そういうプロフェッショナルでない者たちが平気でプロフェッショナルの仕事に土足で入り込み、お前のやり方は間違っているというわけだ。
主人公のパイロットがそれ以上のプロフェッショナルだと思ったのが、そういう慇懃無礼な輩に対し声を荒げることもなく落ち着いた声で彼らを導いたところである。

今日のアメリカらしいものの考え方だと思います。正義とは何かという問題よりも合法か非合法なのかを徹底的に問います。正義であっても違法なら罰を受けるし、悪であっても合法ならばなんのお咎めもないということです。

最近の日本もこういう考え方にかなり寄ってきているような気がします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です